浮気調査の相談先は探偵事務所？それとも弁護士？両者の違いとプロに相談するメリットについて解説

配偶者の浮気を疑ったとき、「とにかく浮気の証拠を見つけたい」と思う方もいれば、「慰謝料をもらって別れたい」と離婚を考える方もいるでしょう。

夫婦間の不倫問題は、着地点がさまざまです。やり直すにしても、離婚するにしても、最終的には「夫婦2人」の考えが一致しなければなりません。しかし、浮気が絡んだ離婚問題はこじれやすく、具体的に解決に導くためには“プロへの相談”がおすすめです。

浮気の相談先で思いつくのは「探偵事務所」か「弁護士」ですが、どちらに相談すべきか迷う方も多いかもしれません。

そこで、今回は浮気調査の相談先である探偵事務所と弁護士の業務内容の違いや目的に合わせた相談先、プロに相談することのメリットなどを詳しくお伝えしていきます。

探偵事務所～浮気調査のプロフェッショナル

探偵事務所と言えば、多くの方々が連想する“浮気の相談場所”ではないでしょうか。主な業務内容やメリットについてです。

探偵事務所はどんな仕事内容？

探偵事務所の業務内容は、浮気調査や不倫調査、人探しがメインです。

・ターゲットを尾行する
・証拠の写真を撮影する
・浮気相手の身元を調べる
といった“調査”が基本的な業務内容となっています。

調査報告書として書面にまとめてくれるため、今後、離婚訴訟を考えているときも有効活用ができます。

また、調査結果は配偶者を問い詰める際の“材料”としても役立つものです。配偶者の性格にもよりますが、一筋縄ではいかないような人には「具体的な証拠」を見せることが話し合いの早期解決にもつながることがあります。

探偵事務所に依頼して得られるメリット

探偵事務所に相談することのメリットについて見ていきましょう。

〇法的措置の際に有効な証拠が得られる

探偵事務所が掴んだ証拠は、法的にも主張できるメリットがあります。

夫や妻に浮気疑惑を抱いた場合、なかには「自分で調べよう」と考える方も多いでしょう。ただ、浮気の事実を掴むためには、ターゲットを見失わず、そして気づかれないような尾行や張り込みの技術がなければ成功しません。

しかも、証拠として写真におさめるのは、慣れていない人にとっては難しいことです。写真を何とか撮影できても、ピンボケで使えないこともあるでしょう。

その点、探偵事務所は法的に有効な写真の撮影方法も知り尽くし、高額な機材で撮影してくれるので安心です。

〇自分で調査するリスクを回避できる

自分で配偶者を調べる際にリスクとなるのは“バレやすい”という点です。

お互いに顔を知っている関係性である配偶者という身近な人の尾行は、かなり至難の業です。歩いての尾行は振り向かれたときにバレる、車で後ろから追尾するのも気づかれるかもしれません。

また、自分で情報収集して調査する場合、一歩間違うと法に触れることもあります。

探偵事務所は、日々多くの方々から依頼を受けているため、調査のプロです。

複数人体制で調査をしてくれるため、自分で尾行するよりもピンポイントでの調査ができ、証拠も早めに入手できるのがメリットと言えるでしょう。

弁護士事務所～法的に解決する際のプロ

国家資格を持つ弁護士は、さまざまな揉め事を法律により解決に導いてくれるプロです。 主な業務内容やメリットについて見ていきましょう。

探偵事務所はどんな仕事内容？

夫婦間の浮気問題は、解決する際に複雑に法律が絡み合うことも多いですよね。

「浮気をされたから慰謝料をたくさん取ってやりたい」と言う人をときどき見かけますが、慰謝料の金額も法律をベースに判断されるものです。

配偶者に直接「慰謝料を○○円欲しい」と多額の請求をしても、金額が大きいほど話し合いはまとまりにくいでしょう。

法的根拠に基づいた請求をするためには、“法律のプロ”の存在が欠かせません。

弁護士は、「慰謝料が欲しい」「相手と離婚したい」「子供の親権がほしい」といった具体的な悩みに対し、法的観点からサポートしてくれるプロフェッショナルです。

弁護士に依頼して得られるメリット

それでは弁護士に相談するメリットを見ていきましょう。

〇代理人として配偶者と交渉してくれる

配偶者に浮気をされた人の選択肢は、「やり直す」か「離婚する」といったところでしょう。

ただ、浮気をされたときは「話すのも嫌だ…」と拒否感を示す方も多いはず。特に、浮気相手から慰謝料を取りたくても、顔を合わせるのも辛いですよね。

そんなとき弁護士へ依頼すれば、代理人として交渉をしてもらえます。

精神的に気持ちが滅入ってしまうと「離婚したい気持ちがあるのに行動的になれない」「慰謝料を主張したいのに涙が出てしまう」というケースは多いものです。

そんなときの心強い存在が弁護士。弁護士は法的な観点から確実にあなたの味方として代理人になってくれるでしょう。

〇離婚訴訟などのサポートをしてくれる

配偶者と離婚を考えた場合、離婚に応じてもらえないときは調停となるでしょう。離婚調停は個人が申請手続きを進めることができますが、裁判所への手続きなどは難しい点も多いです。

そもそも「何から始めたらいいか」は分かりづらく、不安でしかないでしょう。

弁護士に相談すれば、申請のやり方や注意点などを順序だててアドバイス・サポートしてくれます。

また、裁判をしないまでも、配偶者と示談交渉をしたい方もいるかもしれません。そんなときも、弁護士なら法的な視点で作成やサポートをしてくれるでしょう。

探偵事務所と弁護士…いったいどちらに相談すべき？

探偵事務所と弁護士は業務内容が異なるため、どちらに相談すべきか迷う方も多いでしょう。

どちらがよいかは状況によって一概に断言できませんが、おおよその判断として次のようなポイントをご参考ください。

探偵事務所に相談すべき人

探偵事務所に依頼した方がいいのは、
・配偶者が浮気しているかはっきりさせたい人
・浮気相手の身元を調べてほしい人
・慰謝料請求、養育費の取り決めをしたいから確実な証拠がほしい人
などのケースです。

調停などは必要なく、夫婦間で話し合いをするための材料にするため、単に「相手の浮気を確かめたい」というときも探偵事務所への依頼がおすすめです。

弁護士に相談すべき人とは？

すでに浮気の証拠を掴んでいる、なおかつ「配偶者が話し合いに応じてくれない」「慰謝料の話をしても払わないと主張された」などの場合、弁護士に相談しましょう。

そのうえで、
・慰謝料を請求したい
・離婚する際に有利にしたい
・離婚後の財産分与についても聞いてみたい
・子供の親権をとりたい
といったサポートを受けたいときも、弁護士への相談が確実です。

ただ、浮気の確証がない状態で弁護士に相談しても、具体的な解決に導けないことが考えられます。

弁護士は、
・浮気の事実を確認
・依頼者の今後の方向性
によって筋道を立てて解決策を考えていきます。

そのため、相談の前提として「浮気をしている事実」が必要です。

たとえば、「離婚して慰謝料をとりたい」というケースの場合、配偶者の浮気が疑惑段階では具体的な話が進みません。しかも、離婚調停など法的な争いに持ち込むためには、確実な証拠が必要です。

そのためには、初めに探偵事務所に依頼することが解決の近道となります。

また、「配偶者を尾行して浮気相手を突き止めて」といった相談は弁護士事務所では受けていません。

浮気相手が発覚…！ついやりがちなNG行動とは？

浮気調査によって浮気相手が発覚すると、その内容次第ではさまざまな感情が湧いてくるでしょう。

浮気相手が自分の知っている人だったというケースも多く、なかには「自分の親友と浮気された」ということもあります。

浮気調査の前には相手を知りたいと思っていても、実際に判明すると感情が爆発することもあるでしょう。

ただ、ここで感情に身を任せて極端な行動をすると、法に触れてトラブルとなり自分の立場が弱くなるかもしれないため注意が必要です。

・浮気相手に会って暴力をふるう（相手がケガをする）
・浮気相手の職場に出向いて浮気の事実をみんなの前で公表する
・浮気相手に嫌がらせのようにしつこい電話や待ち伏せをする
・インターネットブログやサイトに浮気相手の実名を出して書く

上記のような行為は、傷害罪や名誉棄損罪、脅迫罪などに問われる可能性があります。相手が分かると気持ちが高くなり、ふだんの自分では考えられないような行動を起こす方もいます。

探偵事務所への依頼で浮気相手が特定した後、自分がどうすべきか悩んだときも、法律の観点で相談できるのが弁護士です。

探偵事務所の費用、弁護士の費用…浮気相手に請求できる？

プロへの相談・依頼は、不安の解消や、スピーディーな解決につながる一方で、それなりの費用がかかってしまいます。その費用は“浮気をした配偶者”や“浮気相手”に請求できるのでしょうか。

プロへの依頼は高いお金がかかる

探偵事務所や弁護士、どちらも専門家として、依頼者からの要望に応えるべく、しっかりとした仕事を行うため費用は結構かかるものです。

たとえば、探偵事務所への依頼は10～100万円ほどが費用目安です。

ある程度の情報があるなかで調査できれば比較的料金は安く済むものの、手がかりが薄い状態で調査が始まると長期化して費用が嵩むこともよくあります。

弁護士への依頼はケースバイケースですが、相談だけで解決できれば時間単位で相談料が請求されることが多いです。その後、正式な依頼として着手すれば、業務内容に応じて費用は結構かかるでしょう。

配偶者や浮気相手に払ってもらいたい…！

浮気をされた側は、精神的にもダメージを受けるほか、金銭的にも負担が増えます。

「なんで自分だけがこんな目に…」と、配偶者にも浮気相手にも腹立たしい気持ちでいっぱいになりますよね。「そもそもこの2人が浮気をしなければ…」という心理になるのは当然のことでしょう。

配偶者や浮気相手に、こういった費用を慰謝料として請求して回収したい場合、相手の不貞行為を明らかにするために調査が必要だったか、そして「妥当な範囲の金額を請求しているか」が認められるかがポイントです。

たとえば、「明らかな証拠をすでに持っているのにも関わらず、探偵事務所に依頼して費用がかかった」という場合なら、“わざわざ調査を依頼する必要性がなかったのでは”との解釈がされます。

また、裁判により慰謝料請求が認められた場合でも、「かかった費用全額」は請求するのは難しく、多くのケースで約1割という一部になっているようです。

まとめ

今回は、配偶者の浮気の悩みを解決してくれるプロフェッショナル、探偵事務所と弁護士についての業務内容などをお伝えしました。

探偵は証拠を掴む調査のプロ、弁護士は訴訟など法的に解決してくれるプロというように、どちらもあなたの悩みを早期に解決してくれる専門家です。ただ、業務内容が異なるため、自分の状況に合わせて依頼先を検討することをおすすめします。

配偶者の浮気を知った場合、
・不倫を止めてくれたら、やり直したい　
・浮気と知った時点で離婚をしたい
・浮気相手を許せないから慰謝料を払わせたい
などさまざまな考えが頭に浮かぶかと思います。

何とか自分で解決したいと考える方もいるかもしれませんが、１人ではどうしても解決できない問題も多いです。今後の流れがわからずに一層不安が増す方も多いでしょう。

まずは相談という形で専門家に問い合わせてみることも重要です。