配偶者の浮気調査後の示談交渉とは?裁判ではなく“示談”を選ぶメリット・デメリットや進め方のポイントを解説します
浮気調査でパートナーの不倫を知った後、「慰謝料請求したい」「不倫相手と完全に別れると約束してほしい」など考えることもあるでしょう。ただ、手間や期間のことを考えると調停や離婚を進めるのに抵抗があるという方もいるのではないでしょうか。
そんなときに選ばれているのが「示談」です。
今回は配偶者の浮気調査の後の示談交渉について、メリット・デメリットや進め方のポイントを解説していきます。
第一リサーチ探偵社 代表:小野 高嗣
関東の20社以上の探偵社に向けて調査研修や講演会を行うなど、業界全体のスキル向上に貢献。 これまでに50社の探偵社開業を支援し、多くの新規開業者をサポートしてきた。
2024年に「第一リサーチ探偵社」を設立し、さらなる発展を目指して活動中。
目次
浮気調査後、どんな選択肢があるの?
浮気調査をした後の選択肢をケースごとに見ていきましょう。
ケース1:浮気の証拠を突き付けて離婚したい
夫(妻)が浮気をしているなら別れたいという方もいるでしょう。しかし、疑惑の段階で離婚話をしても「浮気なんてしていない!別れない!」と話し合いに応じてもらえない可能性もあります。
そこで重要になるのが浮気をしている証拠。相手が言い逃れできないような写真・動画などは探偵事務所への浮気調査の依頼が効果的です。
また、裁判など第三者を交えるときも、配偶者の不貞行為による離婚と証明するための証拠を掴んでおくことが必要です。
ケース2:不倫相手と別れてもらい、夫婦関係を続ける
配偶者の行動に怪しいところがあると浮気を疑いたくなりますよね。
証拠を出さずに配偶者に浮気していることを聞いても、うまくかわされることもあるでしょう。その後は警戒されて証拠が掴みづらくなる可能性もあります。
また、怪しい行動が必ずしも不倫とは言えません。
証拠がないのに「浮気しているのでは?」と問いただすと夫婦関係が悪くなることもあるのです。配偶者が浮気している場合でも今後夫婦関係を続けていきたいなら、浮気調査は慎重に行うことが大事です。
自分で行う浮気調査は「バレる」というリスクをともないます。探偵事務所に依頼して、確実な証拠につなげることをおすすめします。
ケース3:浮気相手に慰謝料請求をしたい
慰謝料請求するなら、不貞行為の確たる証拠が必要になります。
配偶者が不倫をしたとき、調停や裁判に進むかは人それぞれです。裁判に持ち込んでも慰謝料をどうしてもほしいとなれば、やはり公的機関で効果を発する“不貞行為の証拠”は必要となります。
不倫されたときの示談交渉とは何か?
まずは、「示談」とは何なのか解説していきます。
示談とは「話し合い」で解決すること
示談とは、裁判などをせずに当事者間で解決する方法です。交通事故などでは“示談”という言葉をよく聞くこともあるかと思いますが、離婚問題でも示談交渉で解決する方もいます。
不倫での示談交渉の当事者とは?
浮気した夫(妻)、浮気された妻(夫)、浮気相手の3人が当事者になります。裁判などでは第三者が交わりますが、示談ならこれらの当事者間で話し合うことが可能です。
示談を行うメリットとは?
裁判をせずに「話し合い」で相談解決できる示談交渉ですが、そのメリットをご紹介します。
解決までの期間がスピーディー
裁判所を通じて浮気問題を解決する場合、すぐには解決しません。離婚や慰謝料請求の申立をしても、裁判所の混雑具合によっては呼び出しが遅くなります。
それに、裁判所側から指定された期日にどうしても行けないときは別日に。ケースバイケースですが、離婚裁判は1年以上かかることも多く、長ければ数年と長期化することもあるのです。
問題が解決しない中途半端な関係性が続き、精神的にも苦痛がともなうでしょう。それに、裁判で弁護士を雇っていると費用的にも嵩みます。
示談なら、自分達の都合をつけて話し合いの場を設けることで、双方の納得が得られることで早めに決着がつくのがメリットです。
周囲に知られないように解決できる
裁判所を通じる場合、仕事を休むなどで出向かなければなりません。裁判所に出入りしている姿を知人や同僚に見られる可能性もあります。
「浮気をした側・浮気をされた側」のどちらにとっても、周囲に知られたくないと考える人は多いでしょう。問題解決が長期化するよりは、示談交渉により金銭的に多くを払ってでも早く解決したいという人にとってはおすすめの方法です。
裁判と比べると慰謝料を多くもらえることも
慰謝料をもらいたい場合、示談交渉の方が多くもらえる可能性があります。
一般的に慰謝料とは「浮気されて精神的に苦痛だった」ことに対し、金銭的な支払いをもとめることです。ただ、裁判所を通じた場合、子供がいるかどうか、結婚期間の長さ、不倫の期間など総合的な観点から、過去の判例をもとに金額が決まります。
浮気された側が「自分としてはこのくらいほしい」と思っても、思ったよりももらえずに「がっくり」というケースも少なくありません。
特に、離婚しないで慰謝料をもらう場合にはわずか数十万円程度のこともあります。
一方、示談交渉なら、相手が納得すれば、自分が請求した金額をもらえます。財力がある人に対して慰謝料請求をする場合、調停や裁判よりも“お金で早期解決したい”と応じてくれるケースもあるでしょう。
交渉次第ですが、お互いにメリットがある方法といえるでしょう。
当事者だけで内密に解決できる
調停や裁判の場合、第三者が介入することから、夫婦関係や不倫の内容を事細かに話さなければなりません。
いくら解決のためとはいえ、他人に夫婦のことを知られたくないこともありますよね。
調停委員や裁判官などは守秘義務により他人に秘密を漏らすことはないでしょうが、やはり「他人に知られるのは嫌」という方もいるかと思います。
そういったケースでは、示談交渉はおすすめできる方法です。
示談にはデメリットもある
一方、デメリット面もあります。
提示した条件に応じてくれないかもしれない
示談のデメリットは「相手が応じるとは限らない」ことです。
夫(妻)が不倫をして慰謝料請求する場合、「夫(妻)」「不倫相手」に慰謝料請求することになるでしょう。ただ、第三者が入っていないことをいいことに、「不倫はしていない」と不倫の事実さえも認めないこともあるかもしれません。
また、こちらの提示した金額に対し、難癖をつけて応じない可能性も考えられます。
段取りがよく分からない…
調停や裁判で慰謝料請求をする場合、いったん申し立てをすれば流れに従うのみです。ただ、示談交渉は自らが動かないと難しく、なかには「示談はしたいけれど相手と直接話すのは嫌だ」と思いながら時間だけが過ぎてしまうかもしれません。
また、「示談を進めさせてほしい」と伝えているのに相手がすぐに応じてくれない可能性も。なんだかんだで段取りが遅くなれば、かえって交渉が長引き時間が過ぎることもあるでしょう。
示談は自分達だけで行っても大丈夫?示談交渉の進め方とは?
次に示談交渉の進め方についてです。
当事者間での話し合い
当事者を呼び出して直接話し合う方法の場合、まずは相手に連絡し「会う日時・どこで会うか」などを決めなければなりません。
また、当事者間で話し合う際は、お互いに感情的になる可能性も少なくありません。冷静に話し合えるように、話し合いたいこと・慰謝料の金額などをまとめておくことが大事です。
電話による交渉
相手とは直接話しますが、電話なら顔が見えないのがメリットです。
「会う日程」を改めて決めなくても済むので、相手の合意さえあれば最も早急に解決できます。ただ、お互いに書面を見てやり取りするわけではなく、勘違いから「言った・言わない」が生じてしまうリスクもあります。
書面による交渉
示談交渉では、相手に対する“憎い”気持ちが強いほど対面した際に上手く話せなくなるものです。だからと言って、弁護士を立てると費用面が嵩んでしまうデメリットがあります。
そんなときに考えられるのは書面による交渉です。
ただ、電話や対面と違い、「文書を送る→相手に届く→相手から返答がある」と郵送の手間・時間がかかることからスムーズに進まないのがデメリットです。
弁護士に相談しての示談交渉
夫(妻)に浮気をされると、怒りや悲しみ、絶望とさまざまな気持ちが入り混じるものです。
そんな気持ちにさせた相手を目の前にすると、思っていたことを口に出せず、相手のペースに飲み込まれてしまうこともあるでしょう。
弁護士に任せると、代理人として“自分が不在”でも交渉を進めてもらえます。
また、専門的な観点から話を進めてもらえるので、当事者同士ではまとまらない可能性のものも、上手に示談交渉を成立してもらえる可能性が高まります。
ただし、弁護士費用はかかるので注意が必要。「示談が成立した・しなかった」のどちらも費用はかかります。慰謝料請求をする相手の経済力も重要なカギとなってくるでしょう。
弁護士を通じても交渉が成立しなければ、調停などに進むこともできます。
示談交渉は専門家に依頼することが効果的
冷静を装いたいと思いつつも、当事者間同士で話し合っているうちに感情的になることは多いでしょう。
落ち着いて話ができないことも多々あります。
また、慰謝料など金銭が絡む場合、口頭のみで話を終わらせると後々のトラブルを生みかねません。支払うと約束したのに結局払わないというケースもあるでしょう。
それに書面がないことを言いことに「そんなことを言わなかった」と言い逃れする人もいます。
「不倫の事実があったかどうか」「今後関係を解消するのか」「慰謝料の金額や支払い方はどうするか」など話し合ったことを記録して残すことが「示談書」です。
示談書の作成ですが、自分で対応するのは難しく感じる方も多いでしょう。
示談書には、
・慰謝料の金額、支払い方法
・不倫があった事実について(不貞行為のことも記載)
・金銭以外で約束して欲しいこと(別れてほしいなど)
・示談内容に反した場合の取り込め
など細かい内容を盛り込まなければなりません。
見よう見まねで作った示談書に「肝心なことが書かれていなかった」と失敗するのも怖いですよね。専門家に任せることで費用はかかるものの、取り決めを正しく文書化することができます。
また、示談書は当事者間の問題解決のための記録となりますが、法的な効力はありません。
たとえば、慰謝料が分割払いとなった場合、「振り込まれていない・払ってくれない」というトラブルが起こることもあるでしょう。支払いが滞ったときに公正証書なら財産差し押さえ等の強制執行の効力をもちます。
公正証書にすべきかどうか、どうやって作成するのかなどは分からないことも多いので、専門家に相談しながら進めていくと安心です。
まとめ
パートナーの浮気に悩んだ場合、調停や裁判はやりたくないと考える方もいるでしょう。示談なら当事者間での話し合いで済むため、早期解決ができるメリットがあります。
それに、裁判などで慰謝料請求するよりも、交渉次第では増額できるかもしれません。
浮気調査による「不貞行為の証拠」を掴んでおくと有利に交渉を進められます。浮気の証拠がないと「不倫をしていない」と話し合いに応じてくれない可能性もあり、示談交渉でも証拠は大切です。
ただ、不貞行為があったことを突き止めるには、自分流での浮気調査では不十分。正しい知識と進め方で示談交渉を進めるためには、プロの力が必要です。
「浮気調査」という事前準備をしっかりと行い、示談交渉に挑みましょう。
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