浮気の証拠とは何か？

こんにちは。八王子探偵　第一リサーチ探偵社の小野です。

浮気の証拠って何なのか？皆さんが思っている以上に複雑で難しいので、今回は分かりやすく説明します。

よく浮気の証拠を撮って欲しいとの問い合わせが多いですが、裁判で提出する浮気の証拠は「不貞の証拠」でなければなりません。

不貞という言葉は、簡単に言えば、浮気相手と身体の関係を持ったら不貞という言い方になります。

裁判所を経由して、浮気を理由に離婚する場合や、浮気されたうえにパートナーから離婚を迫られ、それを拒否したい場合などの話し合いになる場合、この不貞の証拠でなければ主張が通らない場合が大半です。

次に大事なのは、その不貞の証拠とは誰がみても浮気【身体の関係】があったと確信を持てるもの。そして写真をみて誰と誰が写っているとはっきりわかること、肉体関係があったと分かることが必要です。

例えば、パートナーの携帯電話の画像に浮気相手とラブホテルの部屋で一緒に撮った画像があったとします。一見すると確実な証拠のように見えますが、これだけでは慰謝料はもらえません。

こういう時に証拠になる写真を探偵ならどう撮るかを説明した方が分かりやすいと思いますのでご紹介します。

証拠として提出する場合には、前後の行動がしっかり記録されていることが重要です。例えば、勤務先で退社後から尾行を開始し、バスに乗り浮気相手と合流する様子、その浮気相手の容姿、そこから一緒に移動して飲食店で食事をする様子、店を出てお酒を飲みに向かう様子、店を出てホテルに入る瞬間をおさえたら、出てくる瞬間をおさえ、その後に2人が別れて帰宅するまでの流れを時系列で正確に記録しなければなりません。その際に大事なのは、要所要所でしっかり顔が撮れていることです。背中だけしか映っていなければ、「これは私じゃないっ」と言い逃れできる隙を作ってしまうからです。このような前後の行動が記録されているものが浮気の証拠として有効になり、これを複数回行わなければならないのです。ほかにも大事な要素はありますが、この説明だけでも十分に大変なことが分かるかと思います。

こういった一連の流れが記録されているものが不貞の証拠として認められ、慰謝料の額に影響したり、パートナーが有責配偶者になることで、あなたの離婚の意志や離婚の拒否が認められます。二人で写っているだけの写真は「浮気かもしれない証拠」と言えばわかりやすいでしょうか。

メールに関してもそうです。言葉のやり取りだけで不貞とは認めてくれません。

このように、常識的に考えてもこれって浮気だよね？というものであっても、法的な視点では根拠のようなものが必要ですよというお話です。

過去にこんなこともありました。

妻の携帯電話から、浮気相手の画像やラインのやり取りを入手し、絶対的な証拠と確信し、妻を問い詰めました。その時は妻が浮気を認めたのですが、妻は離婚や慰謝料を拒否したため、調停になりました。調停ではお互いに弁護士がつきましたが、調停になった途端、妻が浮気はしていないと主張しはじめたのです。たぶん弁護士のアドバイスなんでしょうが、ここで夫は妻の携帯電話から手に入れた画像やラインでのやりとりしたスクショ等を提出しました。ですが、証拠不十分となってしまいました。そこで夫側の弁護士は探偵に調査を依頼してはどうかと勧めました。夫は急いで探偵に調査の依頼をしました。が、妻も妻側の弁護士に裁判が終わるまでは会うことを控えるように指示されていましたので、不貞の証拠は撮れませんでした。結果、離婚は認められたものの、慰謝料はほぼ無しの状態で結末。浮気を認定されることはありませんでした。

ここで思うのが、最初の話し合いの際に一旦は浮気を認めていました。この時に録音さえしていればと悔やまれます。そして浮気を一転して否定してきたこと。これは弁護士がついたこともありますが、裁判の経験のない普通の人なら、浮気の証拠はこれだけあれば十分と思っている以上にしっかりとした証拠が必要になってくるのです。この話は相手方の弁護士の入れ知恵で証拠が薄いと相手に気づかれてしまったのがきっかけだと思いますが、浮気の証拠と思っていたものが証拠にならなかったことは準備として不十分だったと言わざるを得ません。さらに調査を依頼したタイミングも最悪です。このタイミングではもう証拠はほぼ撮れることはないでしょう。

この時の絶望感は想像を絶するものだったと思います。

これを知っているからこそ、私はこうはなって欲しくないので、浮気の証拠の重要性をしつこく訴えています。浮気の証拠は決して軽視しないでください。持っていれば確実に自分の身を守れます。みなさんに少しでも、このことが伝わることを願っています。